ilogb, ilogbf, ilogbl
ヘッダ <math.h> で定義 | ||
int ilogbf(float arg ); | (1) | (C99以上) |
int ilogb(double arg ); | (2) | (C99以上) |
int ilogbl(longdouble arg ); | (3) | (C99以上) |
ヘッダ <tgmath.h> で定義 | ||
#define ilogb( arg ) | (4) | (C99以上) |
ヘッダ <math.h> で定義 | ||
#define FP_ILOGB0 /*implementation-defined*/ | (5) | (C99以上) |
#define FP_ILOGBNAN /*implementation-defined*/ | (6) | (C99以上) |
arg
からバイアスされていない指数の値を取り出し、それを符号付き整数値として返します。arg
が longdouble 型の場合は ilogbl
が呼ばれます。 そうでなく、 arg
が整数型または double 型の場合は ilogb
が呼ばれます。 そうでなければ ilogbf
が呼ばれます。形式的には、バイアスされていない指数は、非ゼロの arg
について、符号付き整数値としての log
r|arg| の整数部です。 ただし r
は FLT_RADIX です。
目次 |
[編集]引数
arg | - | 浮動小数点値 |
[編集]戻り値
エラーが発生しなければ、 arg
のバイアスされていない指数が符号付き整数値として返されます。
arg
がゼロの場合は、 FP_ILOGB0 が返されます。
arg
が無限大の場合は、 INT_MAX が返されます。
arg
が NaN の場合は、 FP_ILOGBNAN が返されます。
正しい結果が INT_MAX より大きいまたは INT_MIN より小さい場合、戻り値は未規定であり、定義域エラーまたは値域エラーが発生するかもしれません。
[編集]エラー処理
math_errhandling で規定されている通りにエラーが報告されます。
arg
がゼロ、無限大、または NaN の場合、定義域エラーまたは値域エラーが発生するかもしれません。
正しい結果が INT_MAX より大きいまたは INT_MIN より小さい場合、定義域エラーまたは値域エラーが発生するかもしれません。
処理系が IEEE 浮動小数点算術 (IEC 60559) をサポートしていれば、
- 正しい結果が INT_MAX より大きいまたは INT_MIN より小さい場合、 FE_INVALID が発生します。
arg
が ±0、 ±∞ または NaN の場合、 FE_INVALID が発生します。- それ以外の全ての場合において、結果は正確であり (FE_INEXACT が発生することはありません)、現在の丸めモードは無視されます。
[編集]ノート
arg
がゼロ、無限大または NaN でない場合、戻り値は (int)logb(arg) と正確に同等です。
POSIX は、 arg
がゼロ、無限大、 NaN の場合、または正しい結果が int の範囲外の場合、定義域エラーが発生することを要求しています。
POSIX はまた、 XSI 準拠のシステムでは、正しい結果が INT_MAX より大きいとき、戻り値が INT_MAX であり、正しい結果が INT_MIN より小さいとき、戻り値が INT_MIN であることも要求しています。
すべての既知の実装において、正しい結果は int として表現可能です。 オーバーフローが発生するためには、 INT_MAX が LDBL_MAX_EXP*log2(FLT_RADIX) より小さいか、 INT_MIN が LDBL_MIN_EXP-LDBL_MANT_DIG)*log2(FLT_RADIX) より大きくなければなりません。
ilogb
によって返される指数の値は、 frexp によって返される指数の値より常に 1 小さくなります。 これは正規化の要件が異なるためです。 ilogb
によって返される指数 e
の場合、 |arg*r-e
| は 1 と r
(一般的には 1 と 2) の間になりますが、 frexp によって返される指数 e
の場合、 |arg*2-e
| は 0.5 と 1 の間になります。
[編集]例
#include <stdio.h>#include <math.h>#include <float.h>#include <fenv.h> #pragma STDC FENV_ACCESS ONint main(void){double f =123.45;printf("Given the number %.2f or %a in hex,\n", f, f); double f3;double f2 =modf(f, &f3);printf("modf() makes %.0f + %.2f\n", f3, f2); int i; f2 =frexp(f, &i);printf("frexp() makes %f * 2^%d\n", f2, i); i = ilogb(f);printf("logb()/ilogb() make %f * %d^%d\n", f/scalbn(1.0, i), FLT_RADIX, i); // error handlingfeclearexcept(FE_ALL_EXCEPT);printf("ilogb(0) = %d\n", ilogb(0));if(fetestexcept(FE_INVALID))puts(" FE_INVALID raised");}
出力例:
Given the number 123.45 or 0x1.edccccccccccdp+6 in hex, modf() makes 123 + 0.45 frexp() makes 0.964453 * 2^7 logb()/ilogb() make 1.92891 * 2^6 ilogb(0) = -2147483648 FE_INVALID raised
[編集]参考文献
- C11 standard (ISO/IEC 9899:2011):
- 7.12/8 Mathematics <math.h> (p: 232)
- 7.12.6.5 The ilogb functions (p: 244)
- 7.25 Type-generic math <tgmath.h> (p: 373-375)
- F.10.3.5 The ilogb functions (p: 521)
- C99 standard (ISO/IEC 9899:1999):
- 7.12/8 Mathematics <math.h> (p: 213)
- 7.12.6.5 The ilogb functions (p: 224-225)
- 7.22 Type-generic math <tgmath.h> (p: 335-337)
- F.9.3.5 The ilogb functions (p: 458)
[編集]関連項目
(C99)(C99) | 数値を仮数と 2 の指数に分解します (関数) |
(C99)(C99)(C99) | 指定された数値の指数を取り出します (関数) |
(C99)(C99)(C99)(C99)(C99)(C99) | 数値と FLT_RADIX の累乗の乗算を効率良く計算します (関数) |
ilogb の C++リファレンス |