std::basic_syncbuf

 

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技術仕様書

 

入出力ライブラリ

入出力マニピュレータ

Cスタイルの入出力

バッファ

basic_streambuf

basic_filebuf

basic_stringbuf

strstreambuf (C++98で非推奨)

basic_syncbuf (C++20)

ストリーム

抽象

ios_base

basic_ios

basic_istream

basic_ostream

basic_iostream

ファイル入出力

basic_ifstream

basic_ofstream

basic_fstream

文字列入出力

basic_istringstream

basic_ostringstream

basic_stringstream

配列入出力

istrstream (C++98で非推奨)

ostrstream (C++98で非推奨)

strstream (C++98で非推奨)

同期化出力

basic_osyncstream (C++20)

型

streamoff

streamsize

fpos

エラーカテゴリインタフェース

iostream_category (C++11)

io_errc (C++11)

 

std::basic_syncbuf

パブリックメンバ関数

basic_syncbuf::basic_syncbuf

basic_syncbuf::operator=

basic_syncbuf::~basic_syncbuf

basic_syncbuf::swap

basic_syncbuf::emit

basic_syncbuf::get_wrapped

basic_syncbuf::get_allocator

basic_syncbuf::set_emit_on_sync

プロテクテッドメンバ関数

basic_syncbuf::sync

非メンバ関数

swap(std::basic_syncbuf)

 

ヘッダ <syncstream> で定義
template<     class CharT,     class Traits =std::char_traits<CharT>,     class Allocator =std::allocator<CharT> >class basic_syncbuf :publicstd::basic_streambuf<CharT, Traits>		(C++20以上)

std::basic_syncbuf は (ポインタとして構築時に提供される) std::basic_streambuf に対するラッパーです。 出力を内部バッファに蓄積し、破棄されるときおよび明示的に要求されたときに、その内容全体を、連続した文字のシーケンスとして現れるように、ラップされたバッファにアトミックに転送します。 同じバッファに行われるすべての出力が std::basic_syncbuf のインスタンス (異なるインスタンスでも構いません) を通して行われる限り、データ競合は発生せず、ラップされたバッファに送られる文字がインターリーブしないことが保証されます。

std::basic_syncbuf の一般的な実装は、ラップされる std::basic_streambuf へのポインタ、同期 (フラッシュ) 時にバッファの内容をラップされたバッファに転送するかどうかを表すブーリアンフラグ、ポリシーが同期時排出でない場合にフラッシュが保留されているかどうかを表すブーリアンフラグ、 Allocator を使用した内部バッファ (std::string など)、およびラップされた同じストリームバッファにアクセスする複数のスレッド間の排出を同期するために使用するミューテックスへのポインタ (これらのミューテックスは basic_streambuf オブジェクトへのポインタをキーとして使用したハッシュマップで管理されるかもしれません) を保持します。

他の streambuf クラスと同様に、 std::basic_syncbuf は通常、直接でなく、対応するストリーム std::osyncstream を通してのみアクセスされます。

一般的な文字型に対する2つの特殊化が定義されます。

ヘッダ <syncstream> で定義
型	定義
syncbuf	basic_syncbuf<char>
wsyncbuf	basic_syncbuf<wchar_t>

メンバ型

メンバ型	定義
char_type	CharT
traits_type	Traits。 Traits::char_type が CharT でない場合、プログラムは ill-formed です
int_type	Traits::int_type
pos_type	Traits::pos_type
off_type	Traits::off_type
allocator_type	Allocator
streambuf_type	std::basic_streambuf<CharT, Traits>

メンバ関数

パブリックメンバ関数
コンストラクタ	basic_syncbuf オブジェクトを構築します (パブリックメンバ関数)
operator=	basic_syncbuf object を代入します (パブリックメンバ関数)
swap	2つの basic_syncbuf オブジェクトを入れ替えます (パブリックメンバ関数)
デストラクタ	basic_syncbuf を破棄し、内部バッファを排出します (パブリックメンバ関数)
emit	内部バッファ全体をラップされた streambuf にアトミックに転送します (パブリックメンバ関数)
get_wrapped	ラップされた streambuf のポインタを取得します (パブリックメンバ関数)
get_allocator	この basic_syncbuf によって使用されるアロケータを取得します (パブリックメンバ関数)
set_emit_on_sync	現在の同期時排出ポリシーを変更します (パブリックメンバ関数)
プロテクテッドメンバ関数
sync	現在の同期時発行ポリシーに応じて、排出する、またはフラッシュの保留を記録します (パブリックメンバ関数)

非メンバ関数

std::swap(std::basic_syncbuf) (C++20)

std::swap アルゴリズムの特殊化 (関数テンプレート)

std::basic_streambuf から継承

メンバ型

メンバ型	定義
char_type	CharT
traits_type	Traits。 Traits::char_type が CharT でない場合、プログラムは ill-formed です
int_type	Traits::int_type
pos_type	Traits::pos_type
off_type	Traits::off_type

メンバ関数

デストラクタ [仮想]	basic_streambuf オブジェクトを破棄します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想パブリックメンバ関数)
ロケール
pubimbue	imbue() を呼びます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
getloc	紐付けられているロケールのコピーを取得します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
位置設定
pubsetbuf	setbuf() を呼びます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
pubseekoff	seekoff() を呼びます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
pubseekpos	seekpos() を呼びます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
pubsync	sync() を呼びます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
get 領域
in_avail	get 領域内の直ちに利用可能な文字数を取得します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
snextc	入力シーケンスを進めて、その後、進めずに文字をひとつ読み込みます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
sbumpc	入力シーケンスから文字をひとつ読み込み、シーケンスを進めます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
stossc (C++98で非推奨)(C++17で削除)	sbumpc() を呼んだかのように入力シーケンスを進めて、その結果を破棄します (パブリックメンバ関数)
sgetc	シーケンスを進めずに入力シーケンスから文字をひとつ読み込みます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
sgetn	xsgetn() を呼びます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
put 領域
sputc	文字をひとつ put 領域に書き込み、次ポインタを進めます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
sputn	xsputn() を呼びます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
putback
sputbackc	入力シーケンスに文字をひとつ戻します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)
sungetc	入力シーケンスの次ポインタを1つ前に移動させます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>のパブリックメンバ関数)

プロテクテッドメンバ関数

コンストラクタ	basic_streambuf オブジェクトを構築します (プロテクテッドメンバ関数)
operator= (C++11)	basic_streambuf オブジェクトを置き換えます (プロテクテッドメンバ関数)
swap (C++11)	2つの basic_streambuf オブジェクトを入れ替えます (プロテクテッドメンバ関数)
ロケール
imbue [仮想]	紐付けられているロケールを変更します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
位置設定
setbuf [仮想]	可能であれば、バッファをユーザ定義の配列に置き換えます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
seekoff [仮想]	入力シーケンス、出力シーケンス、またはその両方の次ポインタの位置を相対位置を使用して再設定します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
seekpos [仮想]	入力シーケンス、出力シーケンス、またはその両方の次ポインタの位置を絶対位置を使用して再設定します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
sync [仮想]	バッファを紐付けられている文字シーケンスと同期します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
get 領域
showmanyc [仮想]	紐付けられている入力シーケンス内の入力のために利用可能な文字数 (もし判れば) を取得します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
underflow [仮想]	紐付けられている入力シーケンスから get 領域に文字を読み込みます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
uflow [仮想]	紐付けられている入力シーケンスから get 領域に文字を読み込み、次ポインタを進めます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
xsgetn [仮想]	入力シーケンスから複数の文字を読み込みます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
ebackgptregptr	get 領域の先頭、現在の文字、終端へのポインタを返します (プロテクテッドメンバ関数)
gbump	入力シーケンスの次ポインタを進めます (プロテクテッドメンバ関数)
setg	入力シーケンスの先頭、次、終端ポインタの位置を再設定します (プロテクテッドメンバ関数)
put 領域
xsputn [仮想]	出力シーケンスに複数の文字を出力します (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
overflow [仮想]	put 領域から紐付けられている出力シーケンスに文字を書き込みます (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)
pbasepptrepptr	put 領域の先頭、現在の文字、終端へのポインタを返します (プロテクテッドメンバ関数)
pbump	出力シーケンスの次ポインタを進めます (プロテクテッドメンバ関数)
setp	出力シーケンスの先頭、次、終端ポインタの位置を再設定します (プロテクテッドメンバ関数)
putback
pbackfail [仮想]	入力シーケンスに文字を戻します。 入力シーケンスを変更する可能性があります (std::basic_streambuf<CharT,Traits>の仮想プロテクテッドメンバ関数)