<video>: 動画埋め込み要素

<video controls width="250"> <source src="/shared-assets/videos/flower.webm" type="video/webm" /> <source src="/shared-assets/videos/flower.mp4" type="video/mp4" /> Download the <a href="/shared-assets/videos/flower.webm">WEBM</a> or <a href="/shared-assets/videos/flower.mp4">MP4</a> video. </video> 

上記の例は <video> 要素のシンプルな使い方を示しています。<img> 要素と同様に、 src 属性の中に表示したいメディアへのパスを含めます。他の属性を含めて、動画の幅や高さ、自動再生やループをするかどうか、ブラウザーの標準の動画コントロールを表示するかなどの情報を指定することができます。

開始・終了タグである <video></video> タグの間の内容は、この要素に対応していないブラウザーで代替として表示されます。

他のすべての HTML 要素と同様に、この要素はグローバル属性に対応しています。

autoplay

論理属性です。この属性が指定された場合、データの読み込みが完了し、再生可能な状態になった時点で即座にコンテンツの再生が始まります。

メモ: 現行のブラウザーでは、音声（またはミュートされていない音声トラック付きの動画）が自動再生されないように設定されています。これは、自動的に音声が再生されるサイトはユーザーにとって不快な体験になり得るからです。正しい自動再生の使い方についての追加情報は autoplay ガイドを参照してください。

動画の自動再生を無効にするために autoplay="false" を指定しても機能しません。 <video> タグにこの属性があれば、動画が自動的に再生されます。自動再生を無効にするには、属性を完全に取り除くことが必要です。

controls

この属性が指定された場合、再生、音量、シーク、ポーズの各機能を制御するコントロールを表示します。

controlslist

controlslist 属性が指定されていると、ブラウザー自身のコントロールのセットを表示する場合（例えば controls 属性が設定されている場合）、video 要素に表示するコントロールを選択するのを補助します。

指定できる値は nodownload, nofullscreen, noremoteplayback です。

disablepictureinpicture 属性を使用すると、ピクチャインピクチャモード（およびコントロール）を無効にすることができます。

crossorigin

列挙型の属性で、関連画像を取得する際に CORS を使用するかどうかを示します。 CORS が有効なリソースは、汚染されることなく <canvas> 要素で再利用することができます。許可される値は次の通りです。

anonymous

資格情報なしでオリジン間リクエストを実行します。すなわち、 Origin: HTTP ヘッダーを送信する際に、 Cookie や X.509 証明書を送信したり、 HTTP ベーシック認証を行ったりしません。サーバーが元のサイトに資格情報を付与しない場合 (Access-Control-Allow-Origin: HTTP ヘッダーの設定なし)、リソースが汚染され、その使用が制限されます。

use-credentials

資格情報を使用してオリジン間リクエストを実行します。すなわち、 Origin: HTTP ヘッダーを送信する際に Cookie や資格情報を送信したり、 HTTP ベーシック認証を行ったりします。サーバーが元のサイトに（Access-Control-Allow-Credentials: HTTP ヘッダーを通して）資格情報を与えない場合、リソースが汚染され、その使用が制限されます。

この属性が存在しない場合、リソースは CORS なしのリクエストで（すなわち Origin: HTTP ヘッダーを送信せずに）取得され、 <canvas> 要素における汚染されない使用が妨げられます。これが無効な場合、列挙型のキーワードに anonymous が指定されたものとして扱われます。追加の情報は CORS 設定属性を参照してください。

disablepictureinpicture

ブラウザーにピクチャインピクチャのコンテキストメニューを表示させないようにしたり、場合によっては自動的にピクチャインピクチャを要求しないようにします。

disableremoteplayback

論理属性で、有線（HDMI, DVI など）や無線（Miracast, Chromecast, DLNA, AirPlay など）を使用して接続された端末のリモート再生機能を無効にするために使用されます。

Safari では、代替として x-webkit-airplay="deny" を使用することができます。

height

動画の表示領域の高さを、 CSS ピクセル値で指定します（絶対的な値に限ります。パーセント値は不可）。

loop

論理型の属性です。指定された場合、ブラウザーは動画の末尾に達すると、自動的に先頭に戻ります。

muted

論理型の属性で、動画に含まれる音声を消音するかどうかの既定の設定を示します。この属性を設定すると、初期状態が消音になります。既定値は false であり、動画再生時に音声も再生することを表します。

playsinline

論理属性で、動画を「インライン」で再生する、すなわち要素の再生領域内で再生するかを指定します。この属性がないことが、動画を常に全画面で再生するという意味ではないことに注意してください。

poster

動画のダウンロード中に表示される画像の URL です。この属性が指定されない場合、最初のフレームが利用可能になるまで何も表示されず、その後、最初のフレームをポスターフレームとして表示します。

preload

列挙型の属性で、動画が再生される前に、どのコンテンツを読み込むとユーザーに最高の使い勝手をもたらすかについての作者の考えを、ブラウザーに対するヒントとしてを提供するためのものです。以下の値のうちひとつを持つことができます。

• none: 動画を事前に読み込むべきではないことを示します。
• metadata: 動画のメタデータ (例えば、長さ) を読み込みます。
• auto: ユーザーが動画ファイルを使用しないと思われる場合でも、ファイル全体をダウンロードしてよいことを示します。
• 空文字列: これは auto 値と同義です。

既定値はブラウザーごとに異なります。仕様書では metadata を設定するよう助言しています。

メモ:

• autoplay 属性は preload より優先します。autoplay を指定すると、言うまでもなくブラウザーは動画を再生するためにダウンロードを始めなければなりません。
• 仕様書は、ブラウザーがこの属性の値に従うことを強制していません。これは単なるヒントです。

src

埋め込む動画への URL を指定します。この属性は省略可能です。埋め込む動画の指定には、video 要素のブロック内で <source> を使用することもできます。

width

動画の表示領域の幅を、 CSS ピクセル値で指定します。 (絶対的な値に限ります。パーセント値は不可)。

ブラウザーは同じ動画形式にすべて対応しているとは限りません。内部の <source> 要素で複数のソースを提供することができ、ブラウザーは理解できる最初のものを使用します。

<video controls> <source src="myVideo.webm" type="video/webm" /> <source src="myVideo.mp4" type="video/mp4" /> <p> このブラウザーは HTML の動画に対応していません。代わりに<a href="myVideo.mp4" download="myVideo.mp4">動画へのリンク</a>があります。 </p> </video> 

メディアファイル形式や、動画で対応しているコーデックなど、実質的かつ徹底したガイドを提供しています。また、一緒に利用することができる音声コーデックのガイドもあります。

その他の利用上の注意:

• controls 属性を指定しないと、 video はブラウザーの標準のコントロールを含めません。 JavaScript と HTMLMediaElement を使用して、独自のコントロールを作成することもできます。詳しくはクロスブラウザーの動画プレイヤーの作成を参照してください。
• 動画（および音声）コンテンツを詳細に制御できるよう、 HTMLMediaElement はたくさんの種類のイベントを発行します。これらのイベントは、制御を可能にするだけでなく、メディアのダウンロードと再生の両方の進行状況や再生状態、再生位置を監視することができます。
• object-position プロパティを用いて、要素の枠内での動画の位置を調整することができ、 object-fit プロパティを用いて動画の寸法がどのように枠内に合わせられるかを制御することができます。
• 動画と同時に字幕を表示するには、 JavaScript と共に <track> 要素と WebVTT を使用します。詳しくは、 HTML 動画への字幕の追加をご覧ください。
• <video> 要素を使って音声ファイルを再生することができます。例えば WebVTT の代替表記を伴う音声を再生したい場合などに、 <audio> 要素は WebVTT を使った字幕を許可していないため便利です。
• 要素に対応しているブラウザーで代替コンテンツをテストするには、 <video> を <notavideo> のような実在しないタグに置き換えてください。

HTML の <video> の使用について一般的な良い情報源として、動画および音声コンテンツの初心者向けチュートリアルがあります。

<video> 要素は置換要素です。 — display の値は既定で inline ですが、ビューポートの既定の幅と高さは埋め込まれる動画で定義されます。

<video> のスタイル付けについて、特別な考慮事項はありません。よくある戦略として、位置や寸法を設定しやすくし、必要に応じてスタイルやレイアウト情報を提供するために display の値を block に設定することです。動画プレイヤーのスタイル付けの基本は、便利なスタイル付けテクニックをいくつか紹介しています。

字幕、クローズドキャプション、チャプター見出し、などといったタイミングを指定したテキストトラックは、<track> 要素をネストすることで宣言的に追加することができます。 トラックは、ウェブ動画テキストトラック形式 (WebVTT) (.vtt ファイル) で指定します。

例えば、次の HTML では "captions.vtt" というファイルを取り込んでいます。このファイルは、ユーザーが字幕を有効にした場合に動画に字幕をオーバーレイ表示するために使用します。

<video controls src="video.webm"> <track default kind="captions" src="captions.vtt" /> </video> 

WebVTT API を使用して、時間指定テキストトラックをプログラムで追加することもできます。

<video> 要素でトラックが追加されたり削除されたりしたことを検出するには、 addtrack および removetrack イベント利用することができます。しかし、これらのイベントは <video> 要素自身に直接送信されるわけではありません。 代わりに、 <video> の HTMLMediaElement 内にある、要素に追加されたトラックの種類に対応するトラックリストオブジェクトに送信されます。

HTMLMediaElement.audioTracks

AudioTrackList で、このメディア要素のすべての音声トラックを保持します。 addtrack のリスナーをこのオブジェクトに追加すると、この要素に新しい音声トラックが追加された時に通知を受け取ることができます。

HTMLMediaElement.videoTracks

VideoTrackList で、このメディア要素のすべての映像トラックを保持します。 addtrack のリスナーをこのオブジェクトに追加すると、この要素に動画トラックが追加されたときに通知を受け取ることができます。

HTMLMediaElement.textTracks

TextTrackList で、このメディア要素のすべてのテキストトラック（字幕、クローズドキャプション、など）を保持します。 addtrack のリスナーをこのオブジェクトに追加すると、この要素にテキストトラックが追加されたときに通知を受け取ることができます。

例えば、次のようなコードで <video> 要素で音声トラックが追加されたり削除されたりしたときを検出することができます。

const elem = document.querySelector("video"); elem.audioTracks.onaddtrack = (event) => { trackEditor.addTrack(event.track); }; elem.audioTracks.onremovetrack = (event) => { trackEditor.removeTrack(event.track); }; 

このコードは音声トラックが要素で追加および削除されることを監視し、トラックエディターの論理関数を呼び出すことで、エディターにおける利用できるトラックの一覧でトラックを登録や削除を行います。

addEventListener() を使用して addtrack および removetrack イベントを監視することもできます。

サーバーで動画の MIME タイプが適切に設定されていないと、動画が表示されないか X 印がついた灰色のボックスが表示される（JavaScript が有効である場合）可能性があります。

Apache Web Server を使用して WebM 動画を配信する場合、video/webm MIME タイプに動画ファイルの拡張子を追加することで、この問題が修正されます（WebM ファイルの最も一般的な拡張子は .webm です）。これを行うには、/etc/apache の mime.types ファイルを編集するか、httpd.conf の AddType 構成ディレクティブを使用します。

AddType video/webm .webm 

ウェブホスティングサービスでは、全体の更新が行われるまでの間、新技術向けに MIME タイプの設定を変更するための簡単なインターフェイスを提供しているかもしれません。

動画には、実際にコンテンツを説明する字幕と文字化情報 (transcript) を提供するべきです（実装方法について詳しくは HTML 動画への字幕の追加 を参照してください）。字幕によって、聴力を失った人が動画の再生時に音声の内容を理解する事ができるようになるのに対し、文字化情報を使用すると、音声コンテンツを理解するのに時間が掛かる人が、自分に合ったペースと書式で内容を確認できるようになります。

注目すべき点は、音声のみのメディアにキャプションを付けることはできますが、キャプションを表示するために要素の video 領域が使用されるため、 <video> 要素で音声を再生しないとキャプションを付けることができないということです。これは、 video 要素で音声を再生するのに便利な特別なシナリオの 1 つです。

自動字幕サービスが使用されている場合は、生成されたコンテンツが元の動画を正しく表現しているかを確認することが重要です。

字幕や文字化情報では、話されるセリフに加えて、重要な情報を伝える音楽や音響効果も識別できるようにしてください。これには感情や口調も含みます。

14 00:03:14 --> 00:03:18 [ドラマチックなロック音楽] 15 00:03:19 --> 00:03:21 [ささやき] 遠くにあるものは何ですか？ 16 00:03:22 --> 00:03:24 それは……それは…… 16 00:03:25 --> 00:03:32 [ぶつかる大きな音] [皿の割れる音] 

字幕は動画の主題を邪魔しないようにしてください。これは align VTT キュー設定を使用して位置を決めることができます。

• Web Video Text Tracks Format (WebVTT)
• WebAIM: Captions, Transcripts, and Audio Descriptions
• MDN WCAG を理解する ― ガイドライン 1.2 の解説
• Understanding Success Criterion 1.2.1 | W3C Understanding WCAG 2.0
• Understanding Success Criterion 1.2.2 | W3C Understanding WCAG 2.0

この例では、アクティブ化されたときに動画を再生し、再生を制御するためにブラウザーの既定の動画コントロールをユーザーに提供します。

HTML

<!-- Simple video example --> <!-- 'Big Buck Bunny' licensed under CC 3.0 by the Blender foundation. Hosted by archive.org --> <!-- Poster from peach.blender.org --> <video controls src="https://archive.org/download/BigBuckBunny_124/Content/big_buck_bunny_720p_surround.mp4" poster="https://peach.blender.org/wp-content/uploads/title_anouncement.jpg?x11217" width="620"> 恐れ入りますが、このブラウザーは埋め込み動画に対応していません。しかし、<a href="https://archive.org/details/BigBuckBunny_124" >ダウンロード</a >してお好きな動画プレイヤーで見ることはできます。 </video> 

結果

動画の再生が始まるまで、 poster 属性で指定された画像がその場所に表示されます。ブラウザーが動画の再生に対応していない場合は、代替テキストを表示します。

この例は、メディアの 3 つの異なるソースを提供する最後のものをベースにしています。これにより、ブラウザーで対応している動画コーデックに関係なく、動画を見ることができます。

HTML

<!-- Using multiple sources as fallbacks for a video tag --> <!-- 'Elephants Dream' by Orange Open Movie Project Studio, licensed under CC-3.0, hosted by archive.org --> <!-- Poster hosted by Wikimedia --> <video width="620" controls poster="https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e8/Elephants_Dream_s5_both.jpg"> <source src="https://archive.org/download/ElephantsDream/ed_hd.avi" type="video/avi" /> <source src="https://archive.org/download/ElephantsDream/ed_1024_512kb.mp4" type="video/mp4" /> 恐れ入りますが、このブラウザーは埋め込み動画に対応していません。しかし、<a href="https://archive.org/download/ElephantsDream/ed_1024_512kb.mp4" download="ed_1024_512kb.mp4" >MP4 をダウンロード</a >してお好きな動画プレイヤーで見ることはできます。 </video> 

結果

はじめに AVI を試します。再生できない場合は、 MP4 を試します。video 要素に対応していない場合は代替メッセージを表示しますが、すべてのソースに失敗した場合は表示しません。

メディアファイル形式によっては、ファイル形式文字列の一部として codecs 引数を使用して、より具体的な情報を提供することができます。比較的簡単な例は video/webm; codecs="vp8, vorbis" であり、 WebM 映像であり、動画に VP8、音声に Vorbis を使用していることを示しています。

• ウェブ上のメディア種別と形式のガイド

  • メディアコンテナー形式（ファイル形式）
  • ウェブの動画コーデックガイド
  • ウェブの音声コーデックガイド

• フレーム内における画像の位置と寸法の設定: object-position および object-fit

• <audio>

• HTML での動画や音声の使用

• canvas を用いた動画の操作

• Ogg メディアのサーバーの構成